令和の米騒動の原因を考察〜インフレへの学び〜

2025-03-30

インフレ 価格 供給曲線 需要曲線 令和の米騒動

今年SNSやニュースなどで話題になった米価格の急激な上昇ですが、多くの専門家などの解説では米の供給不足による価格の上昇だと言われていたと思います。そのためかは分かりませんが、政府はこの米の価格上昇に対して備蓄米の放出という対策で対応しました。


しかし、以下の通りニュース記事によれば大して価格は下がらない見通しとなったとのことです。




そうなると令和の米騒動の原因は一体何だったのでしょうか?


今回の記事ではこの一連の騒動の原因について考察します。




令和の米騒動の経緯

事の発端は2024年8月頃になると思いますが、一部地域で米が品薄になっているとのSNSでの声が見かけられました。



この声は秋にかけて徐々にSNS上などで大きくなっていきましたが、政府は新米が流通し始めれば価格は下がるというような発言をしました。



しかし、10月になっても米の価格は一向に下がらず、その上下がるどころか更に上昇していきました。その状況のまま年が明けてしまい、SNS上でもあの時備蓄米を放出しておけば…といった声や備蓄米は放出しないのか、といったような声が大きくなっていきました。



備蓄米放出決定

上記の流れを受けて政府が2/14に備蓄米放出を決定しました。



政府側の質問の受け答えなどから政府もSNS上の声と同じように米価格の急上昇は需給逼迫によるものと考えていたようです。


しかし、私はこの時点では以下ポストの通り米価格の上昇は需給逼迫ではないのでは?疑っていました。



理由の1つ目は私の家の近くのスーパーなどで米が品薄になるなどが発生しておらず、何なら余っているくらいだったからです。


確かに2024年8月くらいに一部地域で米が品薄になっているようなポストも見かけましたが、あの時は確かに私の家の近くのスーパーでも米が少なくなっている感じがありました。ただし、品種を選ばなければ買える感じでした。夏の一時期を除いては普通に店頭に米は並んでいる状態でした。




理由の2つ目はフリマサイトでも相場と同じ価格で取引されていたことです。この時期米の転売ヤーがーなどと言って騒いでいた人々がいたと思います。さて、この時期に米の転売で稼いでいた人など存在したのでしょうか?確かに転売での利益が上がるような状況であればそれは需給逼迫している状況かもしれません。

が、私がメルカリやラクマで確認した限りでは相場の値段以上で売れているような状況はありませんでした。いくつか内容見てグラム当たりの価格を計算すれば誰でも分かります。売買が成立していたデータはどれも誰かからの貰い物ですといった説明の記載があるものばかりでした。


ラクマ売り切れ状況


メルカリ売り切れ状況


米は非常に重いので送料が非常に高くなります。フリマサイトで転売するには送料や手数料などを差し引いてその上で利益を上げる必要がありますので、米の転売はどう考えても無理ゲーです。それを考えることができる人はこの手の話題は冷ややかな目で見ていたことでしょう。



備蓄米放出後の米価格値動き

備蓄米放出は3月中旬頃から始まりました。



そして備蓄米放出後の入札も終わったそうですが、未だ米の価格が下がる見通しは立っていないという最初の記事が出始めました。専門家?などもみんな???となっているようです。

そうなると一体何が原因なのでしょうか?





私の答えは一言、「インフレ」です。





では、次から私がそう考察する内容について説明します。



供給曲線と需要曲線とインフレ

需給逼迫による価格上昇とインフレによる価格上昇は価格上昇という事象は同じでも本質的な原因は全く異なります。


まず、供給曲線と需要曲線についてですが、これは以下のリンク先の説明が分かりやすいと思いますのでこちらを参考にして下さい。


学校でよく習うやつですので、これはご存知だと思います。




次はこの供給曲線と需要曲線にインフレの考え方を導入します。ここからが学校では教えてくれないところ。


例えば、需要も供給も全く変わらない状態でインフレだけが進行するとします。すると、下の図のように曲線の変化が無く価格だけが上昇します。

インフレによる供給曲線と需要曲線の交点価格の変化

この意味するところが分かるでしょうか?


皆さん言葉だけでは知っているであろうインフレを改めて言いますがインフレは「お金の価値が目減りすること」です。


この図だと需要曲線と供給曲線のシフトが起こらず、価格の縦軸だけが縮むことを意味します。


目にする価格の上昇という結果だけが同じで、起きている本質は全く異なります。



近年の日本のインフレ率の推移

さて話は変わりますが、ここ数年世界中のインフレの波に飲まれて日本でもインフレが顕著になってきています。


下のグラフは日本の消費者物価指数の総合とその主な要因となっている2025年2月時点で指数TOP10の品目の指数推移です。(見やすいように米類だけ青太線にしました)


消費者物価指数TOP10
消費者物価指数TOP10品目の指数推移と総合指数の推移
(※うるち米Aとうるち米Bは米類とほぼ同じなので除外)



このグラフを見て頂ければ分かる通り、確かに米類の物価指数は2024年頃から極端に上昇していることが分かります。しかし、2023年までを見ていると総合指数を下回って推移していたことが分かります。


これを見て思いませんか?他の品目と同じところに向かっているだけだと…ただ時期がずれ込んだだけだと。


私はそう思っています。これまでの価格がおかしかっただけであって、ようやく他の品目と同じようにインフレによる価格調整が起こっているだけなのではと。


確かにこれらのグラフに挙げている品目はTOP10の品目なので、こんなに上昇している品目達は珍しいと言えば珍しいです。しかし、こういった大きめの物価指数上昇をする品目があったり、逆に下がったりしている品目を合わせての約4%程度の総合指数なのです。全ての品目が等しく4%上昇したりする訳ではなく、今回の米類のように急に前年同月比70%などの品目を含めながらの約4%上昇なのです。約4%のインフレ率が常態化するということはこういった物価指数の上昇が毎年のように起こる世界になるということなのです。


ちなみに私見ですが、米類は生鮮食品には分類されないと思いますので、「電球・ランプ」や「コーヒー豆」などのようにすぐには価格が下がらないような品目だと思いますので、この価格はずっとこのままだと思った方がいいです。何故ならもうお金の価値が減ってしまっているからです。



まとめ

今回は供給曲線と需要曲線とインフレという別の要素を組み合わせたインフレについての説明でしたがいかがでしょうか。


上で紹介した私のポストをしてから何か上手くインフレが原因だと分かりやすく伝える方法が無いかなと思ってふと思いついたのが縦軸が縮む図でした。学校で習うことはそれぞれ別でも組み合わせて見てみるとまた理解が深まるかと思います。組み合わせるには本質が理解できていないとできませんからね。


改めて言いますが、お米の価格が上がったのではありません。インフレによってあなたの持っているお金の価値が減ったのです!


今回の騒動でいかにテレビによく出てくる専門家という方々や政府などが知識が無い人々かということがよく分かった事例だと思います。


今回の令和の米騒動は無知なマスコミが引き起こした実態のない騒動の拡散だと個人的には思っています。


インフレの恐ろしさに本質的に気づいていなかった人がこの記事を読んで少しでも行動を起こそうと思って頂けたなら幸いです。